漫画感想2020年1月号
どうも、ているです。
今月も漫画感想を書いていくんですが、今月百合漫画あんま読んでないですね……
百合漫画ブログだと思って期待した人にはちょっと申し訳ないラインナップになってるかもしれない。
がっこうぐらし!(12) / 海法紀光・千葉サドル
(軽度のネタバレを含みます)
あーーーー終わってしまった。。。
最近打ち切られ漫画ばかり読んでいたこともあってというか、描きたいことがきちんと最後まで描けたんだろうなという感じがするし、しっかり大団円していたので、大変満足しています。
それにしても、何もかもうまくいくような雰囲気を出しておいて一気に奈落に突き落とす手法マジでつらい。みーくんが1人で「ちょっと見てくるだけですから」みたいなこと言い始めたときから、くるみちゃんがめぐねえに噛まれたあの流れがフラッシュバックしていたけどまさかあんな再会があってあんなことなると思わないじゃないですか……(何が起こったのかは実際に読んで確かめてください)
前述のくるみちゃんの流れを汲んだみーくんの流れもそうなんですけど、がっこうぐらし!はソナタ形式が上手いんですよね。1巻の最初のゆきちゃんの「最近学校が好きだ」が5巻で現実を正しく認識したゆきちゃんによる同じセリフで出てきたときは鳥肌立ちましたが、最終回でもう一回絡めてきたの、美しすぎる。
ただぶっちゃけ、もう1人くらい死んでも良かったんじゃないかな……とも思ったり。だってピンチに陥ったゆきちゃんを助けたのがめぐねえと太郎丸と椎子さん、そしてあの子ですよ?見たとき「あっこれこの子助からなかったんやな」って思いましたもん。それで最終話は結局助けられなかったけど、彼女のぶんまで生きる、みたいな後味の悪い感じになるのかなって思ったんですけど。好みで言えばそっちの展開のが好きだったかも。
いやまあ、もちろん、死んで欲しかったわけではないので、いいんですけど……(わがままなオタク)
というわけで、12巻に渡っての連載、お疲れ様でした。きららファンタジアで☆5くるみと☆5めぐねえ引いたのでそのうちワンチャン全員揃えたい。
がっこうぐらし! 12巻【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付】 (まんがタイムKRコミックス)
- 作者:海法紀光(ニトロプラス),千葉サドル
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2020/01/10
- メディア: Kindle版
魔王城ツアーへようこそ!(2) / 春雨
これは2巻で終わってしまいましたね……春雨先生の漫画面白いんだけど変化球気味だからあんまり万人受けしないんだろうか……?
ちなみに前作のJKすぷらっしゅ!はあたおか設定だけどかなりがっつり百合漫画しててとても良いのでみんなも読もう。
あ、魔王城ツアーはあんま百合要素強くないです。
さて、こちら2巻完結ですが、打ち切りという雰囲気ではないような気もしますね。畳みの展開的にはやや急なのかなとも思いましたけど、初めからあのエンディングを想定していたのなら、やりたいこと大体やってすっきり終わらせたという印象。
簡単にあらすじを説明すると観光課に勤めていた女性が魔王の末裔により異世界に召喚され、そこで天使や悪魔やドワーフとともに元魔王城を観光地とするための計画に関わることになる……という、最近流行の異世界転生モノっぽいなにかです。
転生じゃなくて召喚だしチート能力も何もないしそもそも別に最近の異世界転生モノみたいな物語ではないのですが。
まず独自の世界観構築が良かったですね、特にギャグ・お色気でかなり目立って、最後には感動要素にまで発展してしまった「羽ハラスメント」の設定。
人型の種族にヒトには無いものが生えていたらそこは性感帯だというのは我々オタクの間では常識ですが、それをここまで存在感のある形で描いている例はあまり見ない気がします。
特に、作中で最もアツいカップリングである悪魔のプリムールと天使のアイラがうっかり羽同士を擦ってしまうシーンがあるのですが、「えっ!?!?!?!?実質貝合わせじゃん!?!?!?!!?!?」と思わされてしまうくらい「羽ハラ」の概念がしっかりしてるんですよ、たぶん春雨先生の趣味なんだと思います(勝手にそんな風評を広めるな)
チラッと出てきたこの世界での学校とか就職の事情、昔戦争してた魔族と人間の現在とか、もうちょっと色々掘り下げて欲しかったところはあるんですけど、まあこの話数でまとめようと思ったら無理がありますね……
掘り下げてほしいで言えば先述のアイラ×プリムールがもっと欲しかったし、個々のキャラの掘り下げもやって欲しかったですけど、今作はどっちかというとコメディとストーリーを重視していたみたいですね。
個人的にはやっぱり春雨先生には百合ラブコメを描いてほしい……
私の拳をうけとめて!(1)~(3) / murata
ヤンキー女・武部と、その女が好きだから強くなって相手してもらってた女・空森が、大人になってから再会して、なんやかんやでお付き合い始めたという話。
百合界隈のオタクならチェックしてる人が多そうですが、僕はなんとなく気になった程度の作品はある程度巻数が出てから一気読みするタイプのオタクなので、今頃読んでます。
いやしかし、ヤンキー女と百合ってめちゃくちゃ相性いいですよね。何がどうと具体的に説明できないんですけど、たぶん、少年漫画の熱い友情を見て「これは実質ラブだろ」ってなるのと近しい感覚?
あと単純にヤンキー女が好き。ゾンサガの二階堂サキとか好き。
さて肝心の中身の話をします。
まず、1~2巻はかなりゆったりと話が展開します。一話は設定のパンチもあってかなりエンタメって感じですが、お付き合いを始めてからの二人の「デート」は「女二人のデートらしいデート」にはならず、釣りをしたり折り紙折ったりインスタ映えに挑戦して失敗したりとなんだかよくわからない毎日。まあそれがギャグとして面白いんですが、それにしたって本当にあまり大きなイベントもなくゆるゆると過ぎていきます。
武部が空森の知り合いの女に嫉妬したり、武部のことが好きな女と三角関係になったりと恋愛マンガによくある展開は出てきますが、言うほど事件性がないというか、当人たちの間で「ちょっとしたこと」みたいな感じで終わっちゃうんですよね。
でも1~2巻のゆるさというか、最初は嫌がってた武部が空森のことをなんだかんだ受け入れていく、関係性が徐々に変わっていくスピードが遅いっていう感じがアハ体験に近くて、それが3巻で一気に爆発します。
そろそろ忘れかけていた「昔は拳でしか語り合えなかった」みたいな設定が3巻で活きてくる。そしてすれ違った二人は数年ごしに再び拳を交わす。拳で語り合う百合は最高であると古事記とフレッシュプリキュア!にも書いてある。
このカタルシスは1~2巻がゆるっゆるでないと生まれなかったし、狙ってやったんだとしたらめちゃくちゃうまいなと思う。3巻はイースがキュアパッションに変わったところで終わるので(この例え伝わるのか?)、4巻がめちゃくちゃ楽しみになってしまった……こっからどう展開するんだろう……
正直言うと、「毎回何かしらが起こる」タイプの漫画のほうが好きなので、2巻まで読んだ後ちょっと中だるみしちゃったんですよね。けど、同じような人がいたら絶対に3巻まで読んだほうがいいです。関係性だけじゃなく、武部自身の成長も描かれるのでこれまでウダウダと煮えきらなかった部分がガッと解決されます。気持ちいい。
そういうわけで、読んだこと無い人は一気読みしてみてくださいね。
- メディア: Kindle版
天体戦士サンレッドN / くぼたまこと
これは知ってる人は知ってると思うんですけど、ヤンキーヒーローのサンレッドと悪の組織フロシャイムとの戦い(になってない)とかほのぼのとした日常(こっちがメイン)とかを描いたギャグ漫画ですね。
アニメ化もされてました。2期やってたので結構な人気作のはず。僕も観てました。
で、今作はどうやら連載終了後にクラウドファンディングで資金を集めて出版した同人誌的なものらしいです。そのへんの事情は全然知らなかったので本屋で見かけたとき目ン玉飛び出るかと思った。
内容としてはおおよそいつもどおりのサンレッドでしたね。サンレッド読んだことある、またはアニメ観たことある人ならわかると思います。ほっこりします。
ただ、最後に「天体戦士サンレッド もうひとつの最終回」とかいう次巻予告があって、それがまたいつもとは違って少年漫画的にめっちゃ面白そうだったので、本当に次巻出るなら期待なんですけど……期待していいんですか!?
おわり
というわけで今月はここまで。
本当は百合姫の感想記事とかも書きたいんですがなかなか時間が取れない……