漫画感想2020年3月号

3月に読んだ漫画の感想を書きます。例のウィルスのせいでゲーセンにも行けず家にこもりきりなのでこんなときこそ漫画を消化していきたい。

どうでもいいけど「こもりきり」って書いたら「小森霧」が予測変換に出てきたので古のオタクの血が騒いでしまいました。久しぶりに林檎もぎれビームでも聴くか……

NEW GAME!(9)〜(10) / 得能正太郎

9巻ではしょっぱなのコウりん修羅場と、ツバもみのダメ夫が妻に媚びる展開がきてのっけから死にかけました。また、コウとりんの関係について、ほたるが明言こそしないけど明らかに「わかっている」態度とかね。いや、「大事な人へのプレゼントなんですから」は明言か……?

また、相変わらずストーリー展開が本当にうまいと感じました。ディレクターはじめの苦悩、フランスで修行中のほたるとコウのそれぞれの成長や選択、開発が炎上して絶望的な雰囲気のところにコウが帰ってくる熱い展開(しかもこれが「炎上してるのを聞いて帰ってきた」ではなく、コウがフランスで色々考えた結果自分の意思でイーグルジャンプに帰りたいと考えて帰ってきたのがたまたま重なったというのがミソ。作られた展開に乗っかっているのではなく、キャラクターが物語を紡いでいる。最高すぎる)、そしてフェアリーズストーリー4のキャラデザをコウから青葉へバトンタッチ……

全部全部ドキドキハラハラワクワクしながら読めて、本当に楽しかったです。どんどん少年漫画化している……(もとから結構少年漫画でしたが)。少年漫画好きはNEW GAME!を読むべき。

NEW GAME!  (9) (まんがタイムKRコミックス)

NEW GAME! (9) (まんがタイムKRコミックス)


そして10巻ですが、大体こんなコウりんでした

なんといってもコウりん同棲。この同棲カップルめ!!!!!!!!!!

女と女は軽率に同棲するべき。

りんとかいう女マジで面白くて、部屋決め時のダブルベッドで……っていうところの表情とおまけページの「なんなのその女!」で爆笑してしまった。「誰よその女!」ってもうネタとして定着しちゃってる感がありますけど、それをマジトーンで言うやつを、それも女女で見られたのは最高エクスペリエンスですね。いやほんと遠山めんどくさすぎる。そこがいい。

あとは9巻で「女の子キャラが増えると良いと思う」って言ってた企画の人がDDB(イーグルジャンプが出したイナイレみたいなゲーム)の二次創作即売会でこじつけ的に百合本書いてたの草。やっぱりそういうご趣味の方でしたか……

メインの内容的には紅葉がラノベの挿絵やることになってとかあったけどちょっと売れる売れないの話とか炎上の話が重くて読んでてしんどかったなあ。ただ得能先生があとがきで書いてた「成長の可能性のない人間を描くことに価値が見いだせない」というのは、なるほどと思わされました。クズ編集者死すべし!慈悲はない!イヤーーッ!グワーーッ!で終わるのは確かにNEWGAME!らしくはない。

NEWGAME!の面白さはやはり「人の成長」に支えられてるんだな、と思った次第。

NEW GAME!  10 (まんがタイムKRコミックス)

NEW GAME! 10 (まんがタイムKRコミックス)

10巻の表紙のうみこさん顔が良すぎてちびりそうになった。

ヒーローさんと元女幹部さん(1)〜(2) / そめちめ

ゆり×とくさつのニューヒーロー!メロンブックスで買うとリーフレットが特典としてついてきたんですが、これが児童向け雑誌の特撮特集ページのオマージュになっていて面白かった)

ピクゆりで話題の作品ですね。

何よりもまず、「特撮モノ」としての完成度の高さに唸らされます。変身や必殺技、技を打つときにガジェットから流れるボイス(これは平成ライダー限定かな)、敵怪人が新開発の薬とかで強化される……といったニチアサのお約束がしっかり演出されていて、メインストーリーは普通にニチアサを見ているような気分になります。ギャグ成分多めですが、シリアスな展開もあり、色々な味が楽しめますね。

「元女幹部」ことハニィさんがわりと脳内お花畑なせいで百合ものとしてはコメディに寄っている印象ですが、大事な場面ではしっかりエモく絡むし、メリハリがきいてて良いです。

主人公の颯ちゃんとハニィさん以外にも、敵幹部同士のカプがあったり、幹部に百合厨がいたり、新ヒーローはシスコンだったりとコミックス2巻ぶんになかなか色々詰め込まれています。

1巻の段階ではまあまあだけどテーマが面白いからヨシ!くらいの印象だったんですが、ストーリーが進むにつれて先がどんどん気になってきたので、とりあえず特撮が好きなら読んで損はないと思います。必殺技を決めるラピッドラビットがカッコイイんじゃあ。

ヒーローさんと元女幹部さん コミック 1-2巻セット

ヒーローさんと元女幹部さん コミック 1-2巻セット

  • 作者:そめちめ
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: コミック

アクタージュ(7)〜(10) / マツキタツヤ・宇佐崎しろ

百合界隈でこの漫画知ってる人あんまりいないかもですが、まず少年漫画としてクッソ面白いので読んでください。週ジャンのコミックスだから1冊500円で買えます。

8巻からのダブルキャスト(羅刹女)編では景を怒りで導く花子、そうして化け物になった景に相対する王賀美がこれまでの「傍若無人でいけすかないヤツ」という印象から一転してめちゃくちゃカッコよく見えてくること、観客席の幼女の使い方がうまい(読者に観客の反応がより伝わるように感受性豊かで感情が表に出やすい幼子の反応を入れたんだと思っています)など、いよいよ舞台が始まってからの見どころはたくさんあるんですが、

百合好き的にはなんといってもそれまでの稽古の過程で、羅刹女の演技を体得するために千世子がライバルと認めた景を「極限まで愛し、憎む」ことで強くなる展開がとても良い……86話の扉絵がまさに二人の関係を如実に表していて最高です。

アクタージュ act-age 7 (ジャンプコミックス)

アクタージュ act-age 7 (ジャンプコミックス)

ところで、なにやら本誌連載の最新話は件の幼女がけいちよの女女の波動で人生狂わされてレズビアンに目覚める話だって聞いたんですけど本当ですかね???

双子百合えっちアンソロジー

双子百合えっちアンソロなのに8作品中3作品が「双子+別の女」という構図で描いていたのがまず面白かったですね。変化球多いってならない?などといらぬ心配もしてしまいますが……

個人的にはトップバッターの甘露アメ先生が「塁と纏(わたし)は二人でひとつじゃないの、元々一人なの」という考えの双子の話がすごく良かったです。そんなどこまでも同一の塁と纏をにべもなく見分けてしまう委員長が二人にとって地雷、なんてところまでめっちゃ琴線に触れる……この3人の話もっと見たいんですが。アンソロの中のいち作品としてしまうのはもったいないとさえ思ってしまう。

甘露アメ先生は某TDゲームのあるキャラクターのデザインやってるので名前は知ってたんですが、こんな漫画を描ける人が普段から漫画を描いてないはずがないと思って調べてみたら結構いろんなところで漫画描いてるみたいですね。CUNEで女子日常系描いてるっぽいから今度読んでみようかな。

もちろん、他の作家さんもみんな「双子ならでは」といったネタばかりで最高ですよ。コダマナオコ先生の「私達はもともと一つの受精卵だった」っていう導入がエモかったり、同じでないと感じているからわざと同じ部分を隠すという双子だったり……別にえっち成分がなくても双子百合を思うさま浴びたい人は読んだらいいと思います。

RPG不動産(2) / 険持ちよ

勇者と魔王の戦いが終結して平和になったファンタジー世界で不動産業を営む女の子たちの話です。

意外とこの発想はなかったですよね……

普通に色々な事情を抱える人や亜人たちにぴったりの賃貸を紹介していくだけでも十分に面白いのですが、どんな種類の亜人とも会話ができる半竜の少女・ファーをめぐるシリアス展開が2巻で急速に動き出し、ファンタジー少年漫画的にも楽しめる作品になっています。

この人は元々「怪体真書Ø」というガチ少年漫画をサンデーで連載していた人なので(当時めっちゃ好きでした)、そのへんの展開の面白さはお墨付きですよ。

ただの個人的回顧になってしまいますが、サンデーキッズだったオタクがなんの因果かきらら系にハマった先に昔好きだった作家さんがいるというのはなんともいえない感動がありますね。

ちなみにこの漫画、メインキャラのうち戦士のラキラちゃんと僧侶のルフリアちゃんは同棲しています。あとはわかるな。

主人公の琴音ちゃんとファーちゃんも一緒に住んでるんですけどあっちは同棲って雰囲気じゃないんだよな……いやこの二人の絡みもかわいいんですが……

何はともあれ、ファンタジーが好きできららが好きな人は是非読んでみてください。

RPG不動産 コミック 1-2巻セット

RPG不動産 コミック 1-2巻セット

  • 作者:険持ちよ
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: コミック

早乙女姉妹は漫画のためなら!?(6) / 山本亮

※注 男主人公のエロコメです エロコメっていうかギャグマンガですが……

まーたエロ漫画紹介してる、と思うかもしれませんが、山本亮平先生のセンスは別格なので、未読の方はぜひとも伝説の6話を読んでください。

shonenjumpplus.com

3話まで無料にしてあとは有料が基本のジャンプラにおいて4,6話が無料(6話のメインキャラが4話で登場するため)という異例の状態から察してほしい。

で、6巻の話ですが、なるべく画像つきで載せたほうが魅力が伝わると思うので箇条書き+画像で書いていきます。コミックスの描き下ろしと、センシティブな画像はさすがに載せない方向ですが。

  • 登場人物の痴女率の高さに慣れすぎてパインさんの反応が新鮮

  • ハルカさん(男)が内なる女性を解放してもいいと悟った瞬間の感動(その表現をそう使うか、と唸らされた)

  • プロの漫画家による5段階アヘ顔という貴重な資料

  • 「好き……」ムクン……じゃねんだわ。トクン……みたいな少女漫画な描き文字で乳首立ててんじゃねえぞ!w

  • 尻尾いじりレズプレイ。 ノアンと痴女リーダーズの大乱交スプラッシュシスターズまだ?

  • 痴力、痴性、痴女という生き方とか言い始める頭のネジが5本くらい抜けてる回(こういう発想力がほしい)

  • このマンゴー……マンゴー!!!

相変わらずずっと笑いっぱなしでお腹痛かったです。

おわり

今月は以上です。原稿とかで色々忙しくなる予定だったにしては読んでる数が多いな……?

まあ、充実してたってことで……また来月お会いしましょう。